2016年11月28日(月)、中山副理事長、富松運営委員、花岡運営委員の3名が厚生労働省難病対策課を訪問し徳本史郎課長補佐に難病の施行に関するネットワークの要望書を手渡しました。
その後約40分間にわたり同課長補佐に要望書の趣旨を説明するとともに意見交換をしました。
まず中山副理事長より要望書の各項目につき説明をしましたが、その際限度額管理表の現物(熊本県と神奈川県)及びIBDネットワーク(以下、「IBDN」)で行った調査表を見せて都道府県によりフォームが違い、対応も違うことを説明しました。
これに対し課長補佐は「厚労省からは都道府県へ助言的通知を発出しているが、都道府県ごとの解釈と工夫して実施しているので差が出ている。また都道府県によって異なる場合にはどれが使い勝手がいいかをIBDNで検討して、それぞれの都道府県の委員会などで陳情してはどうか。あるいは地域難病団体と連携し、訴えてはどうか。」との回答でした。
また軽症者問題に関するIBDNの会報号外をお渡しして、IBDNとしての情宣努力をしているが、軽症者や新規患者への情報伝達は患者会では限界があることを説明し国としての周知徹底を要望しました。
これに対して課長補佐は「厚労省から都道府県に対して通知文書(助言的通知)を出すことはできないことはない。」としながら基調としては、「ユーザーである皆さんから県への情報提供をお願いしたい。」というスタンスでのお話しでした。その他の主なやりとりは以下の通りです。
IBDN:医療費助成だけでなく福祉サービス、就労支援などが解るワンストップサービスができないか。
課長補佐:それについては、どちらかといえば支援センターの立ち上げで対応して行きたい。ホームページでリンクを貼ることはできる。どういった HP がいいのかアドバイスがあれば欲しい。
IBDN:厚労省のHP から情報にたどり着くのが難しいので、患者が取り掛かり探しやすいように難病ポータルサイトなどがあればいい。
IBDN:教育機関は担当窓口が教育委員会、校長、学年主任などと一本化されておらず情宣が難しい。
課長補佐:厚労省から改めて都道府県に出せるものはあくまで助言なので…。特に難病相談・支援センターへの指導も過去の流れを踏まえて徐々に行う。
IBDN:経過措置が終了し軽症者が対象から外れた場合、軽症者を含めた全体の患者数の把握などはどうするつもりか。将来の患者数・人口減少などの変化に対して対象疾病と全患者数の把握、疾患の入れ替えの仕組みを考えられているのか。
課長補佐:実態としては、17 万人から16.6 万人と若干減少 軽症者で申請しない分が減っているのではないかと推測している。確かに医薬品開発に軽症者の情報は欲しいがどうやって情報を入手できるかが問題である。難病証のようなものの発行が考えられるが、障害者雇用や表彰制度も活用する方向で補足を考えていきたい。現状よりメリットを増やすか、デメリットを減らす(たとえば書類代の減額や補助など)して、できれば軽症者にも自主的に臨床調査個人表を出してもらいたいが、軽症者にとってそれを出すメリットがあるか。この費用を減額しさらに保険収載すれば患者の負担は減るが、病院側の抵抗も大きいので難しいかもしれない。